劇団小林組とは

小林敬、菅原隆、加藤俊輔 +【ものうさ特急】岡ゆかり、桑原すっこによるユニット

アラフィフ5人が織りなす、シュールでリアルな世界

鎌倉を拠点に活動する劇団
平均年齢50オーバー
舞台公演を基本に映画、ラジオ、テレビなど多方面に活動中


始まりは鎌倉武士隊
鎌倉の史実を掘り起こし甲冑を製作している鎌倉武士隊
武士隊が史劇「鎌倉四兄弟」の舞台を行うことになり
そこに招聘された、小林敬、菅原隆、松尾崇(のちに脱退)、加藤俊輔で2018年に結成される

結成秘話
加藤は元いた劇団から離れ、しばらく演劇とは距離を置いていたが、甲冑を着ての時代劇に興味を覚え参加した武士隊の「鎌倉四兄弟」は数年に及ぶロングランの後、映画鎌倉四兄弟のクランクアップと共に一時休演となった。しかしそれはあまりに寂しかった。加藤はいつの間にか小林、菅原、松尾の存在感演技力に魅せられていたのだ。このおっさん4人で劇団を立ち上げる事ができたら面白そうだと声をかける。奇しくも小林も想いは同じであり、4人は意気投合し第一回劇団決起集会が、大船のみじんこ食堂で開催されることになった。

2018年のことである。
議題は劇団名を決めること。色々な案が出たが加藤は心の中で決めていた劇団名があった

「劇団小林組」

小林のカリスマ性のみにかけたネーミングだ。
とりあえずみんな一通り意見が出尽くして、これといってピンとくるものはなく、あとはどうやってこの名前を納得させるかだ。元は唐十郎の「唐組」から取ったネーミングだが、散々色んな団体を立ち上げては空中分解を繰り返してきた加藤にとって、グループを存続させる上での一番大事なものは絶対的リーダーの存在だということを強く実感していた。リーダー名が劇団名となればそれは絶対服従の関係が出来上がる。この名前さえ冠すれば劇団は存続するとの目論見があった。
あとは小林が飲むかどうかだ。
そこで議論中は行き詰まり、もうなんでもいいよという空気の中、加藤は「劇団小林組」のプレゼンを始める。勿論渋る小林だが、加藤は口から先に生まれてきたと親戚中に言われるほど屁理屈が得意だ。その勢いに飲まれた一同は「劇団小林組」という名を了承する。ここで大事なのことは、小林に劇団の全ての最終決定権を与える。ということだ。小林は責任感は人一倍強い。彼の覚悟さえ決まれば生半可なことはしないだろう。こうしてここに劇団小林組が誕生した。

平均年齢50のおっさんたちが本気で劇団を立ち上げる

高揚感に包まれ夜は更けていくのだった。

●ユニット「ものうさ特急」との合流
劇団小林組には勿論、劇団を立ち上げた経験者はいない。多少の演劇経験はある者もいるがそれは趣味の範疇を超えず、更に演出などやったことある者は皆無だった。そこで最初は当時小林が学んでいた演劇理論「スタニスラフスキー」方式で稽古が始まる。慣れないながらも半年かけて初公演「烏賊ホテル」まで漕ぎ着けるのだ。
自主公演の甘美を味わってしまった面々は続け様に公演を打つ。何かに取り憑かれたように次から次へと公演を打った。そしてさらに大きい舞台を目指して、大竹野正典「サヨナフ」という超大作へと取り掛かるのだった。これに客演を数名迎え稽古は順調に思われたが劇団内の不調和から松尾が脱退。さらに客演を迎え助けられながら、這々の体で終演日を迎えた。
この時参加してくれていた客演の中の2人、岡ゆかり、桑原文子(現在の桑原すっこ)が後にものうさ特急を結成し小林組と合流することとなるのだ。

サヨナフ後、毎回のように岡と桑原には客演として参加してくれていた。もうほぼ劇団小林組メンバーといっても過言ではない状態になっていた。この曖昧な状態を打破すべく、小林組内で論議が紛糾した。劇団小林組に加入してもらうべきだという一派と分派を立ててそれを劇団小林組傘下に入れるべきだという一派、それと静観する一派である。要は劇団員3人しかいないので全員意見がバラバラということだ。
で、ここでも加藤が強引に意見を通す。劇団小林組は男3人にファンがついてくれている。そこに価値があるのだと熱弁を振るった。小林は仕方なく折れた。で菅原はそれはそれでありか、と納得した。
この議論は当事者である岡と桑原には伝えられていない。男3人で勝手に決めたことである。果たして岡と桑原が納得してくれるかどうかが問題だ。心配する小林をよそに加藤は絶対的な自信があった。こば組にどっぷり関わってこば組に入りたくない人間などあるはずないのだ。その代わり岡と桑原に素敵なユニット名を考えなければならない。ところが小林と菅原が出す案は「劇団くノ一」「劇団小林組マドンナ班」など…とてもじゃないが真っ当なセンスの持ち主ではないと判断した加藤は独断で「ものうさ特急」に決定し夜、小林宅を急襲すると「ものうさ特急」で決定しなさいと迫った。意味のわからない圧に押され小林は首を縦に振り、その代わり2人が納得すればの話だと念を押した。

「ものうさ特急」

ものうげでありながら猛スピードで駆け抜ける列車
かわいらしさもあってとても良い名前だと加藤は思った
で、絶対2人は気にいると根拠のない自信にニンマリ笑った

で、2人に伝える
その瞬間快諾を得る
劇団小林組ものうさ特急の誕生である
ものうさ特急という名を大喜びで受け入れる2人に菅原は、全く理解ができず、加藤も菅原がなんで理解できないのか理解できずにいた

ってなわけで正式に2人がこば組に合流し、劇団小林組は5人体制となったのでありました。

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